お宅訪問『ごはんの友』~vol.2 SyuRo篇


「素敵な人に『ごはんの友』を食べてもらおう」というこの企画。
第2回目となる今回の取材は、暮らしに寄り添うようなモノをつくる場所「SyuRo」にて行われました。
ちなみに、フクモリからも徒歩15分程度とご近所さんです。



出迎えてくれたのは、SyuRoのオーナー兼デザイナーの宇南山さん。



お店にお邪魔すると、生活道具たちがずらりと並んでいます。



宇南山さんの審美眼で選ばれたモノひとつひとつが凛とした佇まいでそこにあって、
静かな中にもどこか強さを感じます。





こんなに素敵な暮らしの道具を生み出したり選ぶ方だから、
きっとお料理上手で食べることも大好きに違いない!
という勝手な想像のもと、今回オファーさせていただいたのです。

奥の小さなキッチンスペースでは、既に今回のお米である「ひとめぼれ」がコトコト炊かれていました。
炊飯器じゃなく、土鍋ってのがまず趣があっていいですよね~。



写真だと分からないけれど、湯気が吹き出し、お米の甘い香りが…。



では、そんな炊きたてのお米と相性抜群、
『ごはんの友』をひとつずつ準備していきましょう。

まずは「桜マスの粕漬け」です。
こちら通常は魚焼き器でグリルして食べるのですが…
用意されていたのはストウブ鍋。
フランスでは3つ星シェフ達に愛されている逸品(!)なのです。
無骨でかっこいい感じがまたSyuRoの空間によく馴染んでいます。

土鍋ごはんといい、最初からからレベル高すぎです…!



ここで宇南山流にさらなるアレンジ。
蓮根、人参などの野菜と、桜マスをどーんと入れて、蓋をし蒸し焼きにします。





あとは、ストウブと時間が勝手においしくしてくれるでしょ、ってことでしばし放置。
桜マスにはもともと酒粕とお味噌でしっかり味ついていますしね。

続いて宇南山さんが手に持つのは「三元豚の角煮」。



これは湯煎するだけで、フクモリのとろとろ角煮が再現できちゃう優れもの。
「味付 玉こん」もついでにドボン。



あと残っているのは、「盛るだけ」シリーズ。
もう盛るだけと分かった宇南山さん、にっこり余裕の表情です。
まずは「ひたし豆」から。



「春待ち漬け」は白い釉薬の表情が素敵な土のおわんに。



「塩納豆」は石川昌浩さんのガラスの器に。



湯煎が終わった角煮は、パリで購入したというアスティエの器に盛りもり。



「スモっち」は殻を向いて、角煮に添えて。
切った瞬間の半熟の黄身には、思わず歓声があがりました。



「玉こん」は小さな白い器に。
玉こんもまさか自分がこんなお上品に盛られるとは
夢にも思わなかったでしょうね。



ほんのりとおこげが香るごはんは、土鍋ならでは!
う〜ん、贅沢です。



そうして、30分あまりで完成したのが、こちらの食卓です。



「本当にごはんの友?」ってくらい大変身を遂げた彼ら。
洒落た料理本に出てきそうな風格すら醸し出しています。

盛る人のセンスで料理の表情って全く変わるんですね。

それではさっそく、SyuRoの可愛らしいスタッフさんをまじえて「いただきまーす!」



さあ、ひとつずつ感想を伺いたいと思います。

まずは、お米「ひとめぼれ」から。
一口食べた瞬間、表情が変わった宇南山さん。



「これ、何だろう…すっごい甘いです。普段食べているお米と全然違う」

続いて、桜マスの蒸し焼きはいかが…?



「うわあ、ふわっふわですね。あ〜何かお酒呑みたくなる味だ!」
酒粕で漬けてあるので、日本酒との相性はもちろん抜群ですよ。

そして、ずっと気になっていたという「塩納豆」。




ごはんと一緒に一口頬張り、思わずにっこり。
この笑顔を見れば、コメントも要りませんよね。
箸がどんどん進んでいきます。



見た目の鮮やかな春待ち漬けは?
「これ、紫蘇の実がポイントですね。程よい酸味もいいです」

続いて「ひたし豆」。
実は宇南山さんのご両親、山形の遊佐町出身なのだそう。
ご実家でひたし豆はあたり前に食べていたと言いますが、それに比べてどうですか?



「家でつくったものはどうしても柔らかくなりがちなんですが、
こちらは歯ごたえが残ってておいしい。
ちょっとピリ辛なのもいいですね」

そして、フクモリでの人気メニュー角煮と、燻製卵のスモっちはいかがでしょうか。



「角煮は柔らかいのに味がちゃんと染みてますね。脂っこくないですし。
スモっちは燻した香りが独特で本当に美味しいです。
あ~これはビールが欲しいなあ」

確かにスモっちは、ごはんというよりビールの友かも…(笑)。

最後に、玉こんのご感想を一言お願いします!



「この玉こん、プリプリしているのに舌触りはとってもなめらかです」

ということは、全部お気に召していただけたようで。ひと安心です。

箸が進むにつれて、みなさんの表情もどんどん柔らかく。
おいしいものって本当、人を幸せにするんですよね~。



ショップであるはずの店内ですが、この日だけはまるでカフェみたいに。
(ちなみに、テーブルにしているのは、普段は商品が並ぶ什器なんですよ)

あ~もしも、こんなごはん屋さん近所にあったら通っちゃうだろうなあ…。



今回、宇南山さんに食べていただいた
『フクモリ ごはんの友』の詳細はこちらに載っています。
山形の幸せな食卓を、ご自宅にもぜひ★



 


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宇南山 加子
1999年 SyuRoを設立。主に空間ディスプレイ、生活デザイン、グラフィックデザインを企画ディレクションする。
2004年 台東デザイナーズヴィレッジ(母校:旧小島小学校)に入居。他社のOEM企画、SP企画、ディスプレイ等を主として、デザインに幅を増やす。
2006年 今までのノウハウを活かし、オリジナルブランドSyuRoを立ち上げプロデュース及び企画、卸しを始める。


2008年 同施設から移転。鳥越にて直営店SyuRoをオープン。他社のOEM企画卸しなどを行いつつ、ショップのプロデュースをする。
五感に響く日常の生活デザイン雑貨たちをセレクトし、オリジナルと共に販売。イベントなども定期的に開催している。
現在、文化と伝統とデザインとが入り交じるこの場所だからこそ、出来る活動を少しずつ。