参加者:
中島ノブユキ(プロデューサー、編曲、演奏)
奥田泰次(レコーディングエンジニア)
狩野真(調律師)
清宮陵一(コーディネーター)
吉澤藤佳(フクモリ)
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
<Simon`s Dream 〜権藤知彦さん、田中佑司さん〜>
中島(以下中):そして権藤さん、田中佑司くんセッション。これはプリペアードピアノにセッティングするところからスタートしましたね。
狩野(以下狩): まず中音部のユニゾンを左の弦だけ大きく狂わせます。茶色いフェルトを中音全域に入れて、浅くミュートします。狂わせた弦が完璧にミュートされずにアタック時に出るようにしました。狂った音が大体0.2秒以内に消えるようにしてますから、伸びて行く音は綺麗な和声になります。とてもユニークな音色になりました。あとはベースで二音だけタイコみたいにドンドンと鳴る音。それは消しゴムで作りました。
吉澤(以下吉):そーゆうのって事前に打合せしてたんですか?
中:それはその場で決めてやってますね。プリペアードはさすがに事前に細かい打合せは出来ないから、その場で「こういう音色が欲しいです」という風に。
狩:中島さんとは以前もプリペアードピアノをやってたから、今回はスムーズにできたのは良かったですね。
中:それはあるかもしれないですね。もう三回はやってますもんね。だから「あ・うん」の(笑)
狩:「あ・うん」の(笑)
中:このレコーディングも色々面白かったですね。田中佑司くんが結構オトを重ねたがりで(笑)
吉:なんかしきりにドラムでリズムを入れたがっていた記憶が。
中:ああそうだったね、彼ドラムを持って来てたからね。
吉:そうだったんですか?!でも中島さんが「このアルバムは全曲リズムパーカッションを入れてないから」って言ってて、あー言われてみればそうだ!ってその時思いました。で、リズムはプリペアードピアノの低音で入れてましたね。あれは事前に決めていたことなんですか?
中:いや、あれはあの場で。この権藤さん&佑司くんセッションは、かなりあの場で偶発的に起こったことを入れてるんだけど、あの低音のリズムも、狩野さんがあの音を作ってくれてたから、あ、ここでこの音を入れたらいいな、と思って生まれたもの。
吉:この曲は何度か重ねて録ってましたよね。
奥田(以下奥):3回くらいかな?中島さんも、権藤さんも。
中:佑司くんも。シンバルと、ビブラフォンを普通のマレットで叩いたのと、金属ので叩いたのと、音色は色々作ってますね。
吉:この曲は出来上がって行く様子が面白かったです。どんどん音色が重なって行って。
中:最初のテイクでは、佑司くんと僕がタタタタタタタタって(出だしの音を)ユニゾンで弾いてるだけだったからね。権藤さんはもっと色々意見を言うかな?と思ってたんだけど、意外と言わなかったね。
奥:はい、権藤さんはセンスの良いことをサラッとしちゃう人、っていう印象がありましたね。
権藤知彦さんとフリューゲルホルン。さすが、様になってますねー!
その他のお話はこちら↓から!
●vol.1・・Kylie 〜カントゥス篇〜
●vol.2・・Thinking of You 〜石井マサユキさん、森俊二さん篇〜
●vol.3・・Oblivion〜北村聡さん篇〜
●vol.4・・エンジニア・調律篇
●vol.5・・What a Wonderful World〜武田カオリさん、高田漣さん、鈴木正人さん、塩谷博之さん篇〜
●vol.6・・Simon`s Dream 〜権藤知彦さん、田中佑司さん篇〜
●vol.7・・East St.Louis Toodle-Oo 〜田村玄一さん篇〜
●vol.8・・Pocket 〜持田香織さん篇〜
●vol.9・・fragments Ⅰ-Ⅴ 〜中島ノブユキさん篇〜
●vol.10・・曲順、ミックス、マスタリング篇〜