4月のpianonaのこと。

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今月のpianonaについては、この体験を言葉に置き換えるにはどうしたら良いのだろう…





と思っているうちに日が過ぎ、自分の表現力の乏しさを改めて感じたのですが、それでも記録しておかないと勿体ない(あの空間を共有できたのはたった50名にも満たないという贅沢さでしたから)というか少しでも多くの方に伝えたい!と思ったのでやはり書こうと思いました。(ブログなんだから、もっと早く書けよ、って感じですが…)



今月のゲストはタップダンサーの熊谷和徳さん。

中島ノブユキさんとの共演は、昨年の夏に『REVOLUCION』で拝見したのが初めてだったのですが(おふたりの共演もそれが初だったかもしれません)、その時は東京オペラシティーという大ホールで、東京フィルハーモニーオーケストラをバックにタップをする!というすごい内容だったので、まさかそのおふたりがフクモリで再び共演していただけるとはその時は…夢にも思っていませんでした。

しかし、Mr.中島マジック!

あれよあれよという間にこうして熊谷さんとのpianonaを実現してくれたのです。中島さんも様々な音楽的才能をお持ちなので、色々なチャレンジや実験的なことを進んで提案してくれるのがスゴイ。

しかし、中島マジック再び…

この4/21当日、開演2時間前にフクモリに到着したおふたりだったのですが、もちろんリハーサルをするかと思いきや、全く…しない。いや、3分くらいはしてましたっけ?

というくらいなのです。

正直、私は拍子抜けしましたが、全てが即興の『ピアノとタップの共演』には確かにリハーサルなんていらないのかもしれません。しかし潔いというか、アーティストのみ出来ることというか…。

そして本番、

それはまさにLIVEでないと体験できない内容でした。次々に奏でられる予測不可能なピアノの音色、そこに響き出るタップのリズム。時にはそれが逆になって掛け合い、音色だけでない空気までも奮わせ会場に与えた感動。



途中、中島さんは急にピアノから立ち上がり、店内のライトを消しました。

熊谷さんは勿論タップを踏み続けています。真っ暗な店内に光るのは入口にある非常灯だけ。

その真っ暗な店内に鳴り響くタップの音と、まるで月明かりに照らされているかのように僅かにうっすらと、シルエットだけが浮かび上がる熊谷さんの姿。

それはとてもとても幻想的で、体験したことのない感覚でした。

そしてその演出もまた即興だったということを知ったのは後になってからの話(もちろん熊谷さんも知らず、電気を急に消された時には実はちょっと驚いていたとか)。

2m四方のタップの木版と一台のアップライトピアノ。

そこには一切の機材も無く、とても小さな空間だったけれど、そこから放出された世界と感動は宇宙みたいに広く、深く心に刻み込まれました。

人間の可能性と計り知れない感動は、きっと計算で出来上がるものではないんだろうな。

けれどそれを裏付けるのはきっと、そこまでの努力や日々があってこそ生まれ得るもの。

※ご実家が仙台にある熊谷さんは、自らのタップスタジオで『TAP the FUTURE 義援金PROJECT』を立ち上げています。こちらも是非ご覧下さい。

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