週明けの月曜日ですが、今日は昨日のことをlogしたいと思います。
今日もなお心の中に残って止まない素晴らしい出来事を。
昨日は『フクモリ落語の日』でした。そんなことを突然言われても寝耳に水!かと思いますが、これは我がボスの「ここフクモリで、東神田らしく江戸文化誇るイベントとして『落語会』を催し、古典芸能の素晴らしさを若年層に広めたい」
という熱い思いに、知人である坂井真紀さんが共鳴し、真紀さんが以前よりその寄席に足を運んでいた…立川談春さんに話をしてみたところ、談春さんも「そういうことならやりましょう!」と快く引き受けていただき実現した、夢のような企画です。
立川談春さんと言ったら今や大人気の噺家さんで、公演の予定は2年先まで入っているくらいで、もちろん、その場所は1000人規模の大きなホールが当たり前。
そんな談春さんが、どう頑張っても70名しか入らないカフェ、フクモリで、『あまり落語に触れたことが無い、全く聴いたことが無い』という人たちばかりを前にして口演をしてくれるのです。
ということでフクモリは朝から大改造!
テーブルを全部店の外へ出し、新たに椅子を40脚程用意し、噺家さんが立つ(というか座る)高座を造り、バックにはパネルを建てました。
今日は、写真家であり真紀さんの旦那様でもある鈴木心さんも記録を撮っていただけるということで、色んな方々のご協力のもと、この日が作られております。
そうこうしているうちにあっという間に開演時間となり…
まず始めにごあいさつ、ということで談春さん自ら、この『フクモリ落語の日』の成り立ちや、落語についてを語ってくれました。
ちなみに、今回クローズドながらもチケットを手にしたみなさまは、何らかの形でカルチャー寄りな(本、音楽、映画、アート、ファッション、演劇、etc..)関係の仕事をされている方々や、それに精通している方々。会場はどうにも濃い空気が流れます(笑)。
その後、前座(2名)と二つ目の間、二つ目の後、にも自ら説明に立ち、みなさんに落語を分かり易く解説してくださる談春さん。落語への真摯な愛を感じながら…
いよいよ真打登場!
本日の演目は『紺屋高尾』。
落語初体験の私は、もちろんこの演目だって初体験です。そして目の前の高座に座ったたったひとりの談春さんから、ぽつりぽつりとその世界の断片が現れ…
気づけばその世界にどっぷりと引き込まれ、「キュウゾウ、えらい!」と応援し、キュウゾウを囲む周りの人たちの人情にほろりとし、キュウゾウのやり取りに声をあげて笑ったかと思えば最後には涙さえ流してしまうくらいに感動し、
「やっぱり愛ってそーいうもんだ!」
と、300年も前の話に熱く共感し、高尾のおんなっぷりにも虜になり(注:もちろん演じているのは全て談春さんなのですが)、とにかく私のアタマの中にはまだなお、江戸の町並みや町民たち、吉原の様子と華やかな花魁の様子、そしてそこで起こったミラクル素敵な出来事が、残像になり、その興奮は止まないのです。
日本人でよかった…
と思いました。
だってやっぱりこれは、日本人というだけで楽しめる紛れも無い芸術です。
ついつい熱くなってしまいましたが、そうして2時間あまりの本日の講演はあっという間に終了し。。
その後、店内は通常の店内へと戻し、談春さんを囲んでお食事会。
いつでも誰にでも気を使ってくださる談春さん。(今日の口演も、後からボスに聞けば、落語初心者にも分かり易いように随分アレンジをしてくださっていたそうです。さすがです…)
そしていつでも談春さんから目を離さないながらも「こらぁ、弟子!」と言われればさぁーっっと飛んで行くお弟子さんたち。私はその「こらぁ、弟子!」の言い方にすんごく愛情が込められているように感じたし、何といってもザ・江戸っ子の言い回しが、何だか落語の台詞の一部のようで、「いいですね、なんか、あんな素敵な叱られ方だったら☆」とお弟子さんに向かってにっこり微笑みかけると、かなりきょとんとされ、「そ、そうですか…?」と、師匠の叱り方を羨む私を珍しがっておりました。が、私はその反応を珍しがりました。
今日学んだことは、落語がどんなに面白いか!といコトのほかに、『愛』。
愛ある師弟関係と、愛ある噺家と、愛の噺。
【3/9(火)のフクモリランチメニュー】
お肉の定食:寿幸鶏の竜田揚げ
お魚の定食:鯖の文化干し
今週の麺定食:山形きのこ蕎麦+小丼(はららご丼)
ご来店、お待ちしております☆